慶州APEC反対! 日本帝国主義の「戦争とファシズム」への道を粉砕しよう!

 

 

アジア太平洋経済協力(APEC)の閣僚級会議がこれまで積み重ねられてきたが、首脳会議が1031日~111日の二日間、ここ慶州で開かれる。APECは、帝国主義の主導の下で、競争し対立する関係にある参加各国の支配階級が、自国の資本主義的利害の拡大を図るために、すなわち、労働者民衆に対する搾取と収奪を強めるために共同で行える方策を提案し議論し決定し実行するための強盗会談だ。全世界の労働者民衆は、自らの利害と真っ向から対立するAPECに抗議の声を上げ、国際連帯の力でこれを打ち砕いていくのでなければならない。

 

 米政府トランプは今年1月の就任早々に主要貿易相手国に対して超高関税を課し、巨額の対米投資を--韓国政府には現金で!――求めるという関税戦争を始めた。また、国連・世界銀行・国際通貨基金をはじめとして米国政府が自国ブルジョアジーの利害拡大のために歴史的に作り出してきた様々な国際機関の役割をことごとく否定している。28日に新総理の高市早苗と日米会談を行ったトランプは、29日に米韓、30日に米中の各首脳会談を行い、また、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩総書記との接触を切望しているが、APEC首脳会議には出ずに帰国する予定だ。米国は自らが主導してきた新自由主義グローバリゼーションの枠組みを踏みにじっている。そのため、その国際的な構造が崩れ始めているが、それに取って代わる次の国際秩序の青写真はない。資本主義・帝国主義は、自由、人権、法の秩序といった虚偽の仮面を投げ捨て、その勃興期である19世紀的な、食うか食われるかというその原点に再び帰った。他方で、米国による中国に対する関税戦争の勢いは、レアアース規制と大豆不買問題で砕かれ、当初の暴力団的恫喝とは裏腹に完全に守勢に回っているお粗末さだ。

 

 今年9月に出ると報道された米国新政府の国家安全保障戦略は同草案の発表にとどまり、全体像は明らかになっていない。しかし、トランプ政権は、全世界に転化している米軍兵力を「本土防衛」に集中させる方向にかじをすでに切っている。そして、米国にとって脅威である敵として、国内では未登録移民、および、民主党、反ファシスト運動、反差別闘争勢力などの「左翼」、国外では中南米などの反米反帝国家を想定し、これらの「反国家勢力」を鎮圧する軍事作戦はすでに始まっている。軍・警察による暴力的な未登録移民の摘発と国外追放、民主党の基盤が強い地域への軍隊の動員と集会デモへの暴力的弾圧、ベネズエラに対する漁民の無差別虐殺から始まった侵略戦争突撃態勢の完了などがそれだ。

 

 米政府の、「米軍は米本土防衛に集中する、当該地域の「脅威」への対処と自国の防衛は基本的に自分たちでしろ、米軍はお前たちを守らない」という意思を反映した上記のような米軍の世界軍事戦略の大転換は、他国との軍事同盟関係の解体的再編を必然的に伴う。米政府が同盟国へ軍事費および駐留米軍への支援金の大幅増を求めているのはその表れだが、アジア地域においては、韓国の李在明(イジェミョン)大統領がいち早く反応し、「自主国防」を大々的に主張し始めた。日本では、極右である高市早苗が新総理大臣に就任し、米国の防衛費増額要求をむしろ追い風と位置付け、アジアにおける米軍の影響力の将来における縮小という穴を埋めるだけの軍事大国になる道へ突進している。高市は国会での所信表明演説で、日米・日米韓・日米豪の軍事同盟関係の強化を打ち出した。これはアジア版NATO創設へ猛進する決意を意味する。また、軍事関連分野への戦略的投資を行ってこれを経済成長の動力にしていく方針を打ち出した。さらに、完全に失敗したアベノミクスのトリクル・ダウン論を復活させている。高市は同演説に先立ち、治安維持法の復活というべきスパイ防止法の制定と国家情報局の新設の方針もすでに打ち出している。これは韓国に例えれば、国家保安法を制定し、国家情報院を新設することを意味する。加えて、高市政権は人事でも安倍政権時の核心的人物を次々に登用している。総じて、韓国的に言えば、李明博(イミョンバク)の政策と人事を復活させたユンソギョル政権の登場と全く重なる。ユンソギョルが試みたが韓国労働者民衆の闘いで挫折した「反国家勢力」「国家への脅威」の国内外での鎮圧という「夢」を米国の極右政権が引き継いで実行中だが、日本の極右政権もまたそれに続こうとしているのだ。

 

 私たち日本の労働者民衆は、ユンソギョル政権を打倒した韓国労働者民衆の闘いに学び、高市「戦争とファシズム」政権と全面的に対決し、同政権打倒に向けて闘う。同時に、アジア・中南米・パレスチナの労働者民衆との国際連帯をさらに強める。帝国主義と植民地主義を歴史の屑籠に投げ捨てるまで前進する。

労働者解放! 全人民解放! 資本主義に代わるもう一つの世界は可能だ! 

搾取も抑圧も差別もない、労働者民衆が主人公になる社会を目指して共に進もう!

 

    20251029

    アジア共同行動日本連絡会議